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この幽霊ならとり憑かれたい「押入れのちよ」

押入れのちよ (新潮文庫)

失業中サラリーマンの恵太が引っ越した先は、家賃3万3千円の超お得な格安アパート。しかし一日目の夜玄関脇の押入れから「出て」きたのは、自称明治39年生れの14歳、推定身長130cm後半の、かわいらしい女の子だった(表題作「押入れのちよ」)。ままならない世の中で、必死に生きざるをえない人間(と幽霊)の可笑しみや哀しみを見事に描いた、全9夜からなる傑作短編集。

夏のお薦めホラー第4段。とってもかわいい幽霊さんです(笑)なかなか絵に書いたような・・・・というよりか、幽霊は昔の方が多いのでどうしても古風になってしまいますが・・・・・・・赤いおべべを着て、おかっぱ頭で、押入れから出てきて、、、、、そりゃもう、典型的な幽霊さん。

喋り方が古くてまずかわいい。

考え方が純粋でかわいい。

出てくる場所も、思わず「ドラえもんかよっ!」ってかわいい(笑)

ホラー小説の醍醐味って、ぞわっと肌をなめるような怖さと、ピリッと効いた切なさがポイントだと思ってますが、そこにプラスアルファの「かわいらしさ。」と「ほっこり加減」が加わったような、「押入れのちよ」。このかわいらしさが余計に涙を誘うって・・・・・・・それでもきちんと、最後にじんわりと落とすところは落としてある、決して後味の悪さは感じさせません。

9編からなってるので、お好きなところからどうぞ~

その他は、

1.お母さまのロシアのスープ
最後、えぇーーー!って感じ(笑)

2.コール
気づいたら感動してた。これがちよの次に好き!

3.押入れのちよ
まぁとりあえず読んでみて下さい(笑)

4.老猫
ありがちかと思えば、、、発想の転換が面白いよね~

5.殺意のレシピ
夫婦がお互いに殺そうとし合う、、、、結構、面白い。

6.介護の鬼
これ、本当にありそうで怖い。

7.予期せぬ訪問者
死体を片づけてる途中に限って、こんなに訪問者が・・・・ありえん(爆)

8.木下闇
ちょいと千と千尋を彷彿させる、神隠しもの。

9.しんちゃんの自転車
しんちゃん、自慢の自転車に乗って夜に来ちゃダメだよ・・・・・・・

あ~ちよちゃんなのか、ちよさんと呼べばいいのか微妙だけど(まぁ本人は14歳の記憶だからやっぱり、ちよちゃんか。)ちよちゃんとなら一緒に暮らしてもいいなぁ~そして毎晩、明治の時代、ちよちゃんの目からみた世界を話して欲しい(笑)まぁ後の作品はオマケ程度でパラ読みすると丁度良いかもです(笑)ちよちゃんはシリーズ化して欲しい・・・・・・・・

押入れのちよ (新潮文庫)
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コメント:3

とり 12-07-14 (土) 23:01

これまた古本屋で発見してよみました。
サラサラいけますね。
やっぱちよちゃんが好きだなあ。

後の話も、ほぼ全話、ラストはこうなるのかよ!!って感じで結構楽しく読みました。
怖い話と言うか、ちゃんと落ちがきいてるというか。

自分お薦めの怖い話は、やっぱし天童荒太さんの「家族狩り」でしょう。

どんどんと家族単位で狩られていくんですが、一体だれが?その理由は?なぜそんなひどい方法で??
怖いもの見たさで読めます。怖さの感じとしては「黒い家」に近い感じです。

お時間がありましたら是非どうぞ…

管理人 12-07-16 (月) 1:39

とりさん
やばい、、、、とても読みたくなって来ましたよ、「家族狩り」。「大地の子」は良かったですよねー今、読んだら時間がなくなるのが怖いんで、必ず読ませて頂きます!!「家族狩り」。

とり 12-07-16 (月) 17:00

是非~!期待は裏切らないですよ。
やっぱり一番怖いのは人間です、、、、、(ΦωΦ)フフフ…
今諏訪の神霊に行ってますが、すごいわ、よくしらべてあるわ、、、、、、仮説が面白いです。
読んだ後にまた四社参拝してみよ~。

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