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神道と日本人

神道と日本人

最近、人に薦めて貰って一番ヒットしたのはこの本でした。

「葉室賴昭(はむろよりあき)」さん著。神道を学ばれている方なら一度は聞いたことのなる名前でしょうね。医者であり成形病院を開業した後に神職の資格をとられ最高階位である明階を取得までされた方。春日大社の前宮司さんです。若い時の管理人には 『宗教本一切禁止!令』 が出ていた為にほとんど宗教関係の本を手にする機会がなく、その習慣がついたのか本屋でずらりと並んでいる著作を見てもどれを読んでよいのか解らず・・・・・ついつい遠慮がちになっていたんですが・・・・・・・

読み終えた今の感想は・・・・・

言葉に出来ない、魂の揺さぶりを感じさせてくれる一冊です。

その方には一冊目の「「神道」のこころ」を薦められたのですがあいにく本屋さんで品切れしてまして、その他の出版の何冊か選んで立ち読みした結果、管理人は「神道と日本人」に心を惹かれ読み始めました。「漢字」を「ひらがな」に戻し、一つ一つその意味や成り立ちから説明してくれ本来の意味を取り戻す語り口調や(「神(かみ)」やら「老いる(おいる)」の意味を知れば納得せざるを得ません)また質問に対しての応答で構成されていますが、その口調は特別難しい言葉は使っておらずともこの方の信念と愛があふれた言葉が直接、魂に響く感じで薦めてくれた方同様、すごく心地の良いものとなりました。

「見えないものに理屈抜きで感謝を申し上げ生かされている事に感動を覚える民族・・・・・日本人。」どんな反宗教者でも神様を信じない方でも、この日本が「神様」と呼ばれる存在と共に歩いてきた国、民族を否定できる人はいらっしゃらないでしょうね。それを病気から、夫婦関係から家庭の問題から宇宙や地球の成り立ちから丁寧に紐解き、またそれがおこがましくも管理人も頷ける所が多かったり、さらに知っているつもりでも一々頷くしかない、改めて考えさせられる場所であったりと・・・・・・・・。読み終えた後に、「会いに行きたい、講演会でもあってないかなぁ・・・・・」 と急ぎネットで調べると本当に残念な事に今年の1月3日に肺炎のため死去されておられました・・・・・・これもここ最近で心底に悔やむことでした。

最後まで読んでみて、この初版の年数を見た時に・・・・なんと10年前の著作だった事に驚きました。今から10年も前に書かれた本・・・・・・それが生々しくも、今この時代に生きている私達にそのまま響いてきます。この一冊を手にして、神様を信じる人も信じない人も、日本人の成り立ちから 「人間の本当に生きる姿」 を知り、今のそれぞれの状況に合わせて読んで頂きたい本です。

『我欲を捨てさってこそ、本当の人間の姿が蘇る』・・・・・ここの解釈が難しく、欲の塊、欲があってこそ人間だと厚かましく考えている管理人が唯一理解できない所でした。なので直接、お会いできるならお会いして、本当の部分の解釈やより深い知識を伺いたいと考えたのですが・・・・・・・今となってはこの方の本を熟読して考える他はございません。

決して難しい本ではないです。言葉も丁寧で日常のことを例に取り上げてくれ、自分達の視線まで落としてくれ、神道がわかりやすく学べる本。内容はすばらしく崇高なことなのでしょうがこれも私達の魂の記憶、忘れていた道筋の少し先を照らしてくれる行灯のような趣があり、、、、管理人は昔、お盆の時に偉いお坊さんから聞いた説法をやさしくしてくれた神道流の言葉だと感じました(笑)すべての話は神道に結びつきますので神道嫌いな人にとってはなかなか読みにくいかも知れませんが、心が豊かな神主さんが発する生の言葉に皆さん、一度は触れられてください。

管理人のように食わず嫌いが治る、目から鱗が落ちるお勧めの一冊です。

次回は本屋次第ですが、「「神道」のこころ」 か、「神道 夫婦のきずな」 を狙っています。

「神道」のこころ、神道 夫婦のきずな
立ち読みでもいいから、この「神道と日本人」内に書かれている、(母とは何か、父とは何か)(何のための家族か)(老いを生きる)は絶対に、絶対に読んで欲しい部分です!!

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コメント:7

残九郎 09-06-22 (月) 20:33

子供向きの“にほんよいくに”ていう絵本もありますよ。

自費出版なので春日大社に問い合わせないと手に入らないようですが。

むらぽん 09-06-22 (月) 22:12

管理人さん、こんばんは^^
わたくし・・・、実は葉室さんに心惹かれこの春に春日大社を参拝したんです。。。 自然と鹿と人が、当たり前のように共生していた風景が心に焼き付いています。10年経とうが、20年経とうが、未来永劫見えないものへの感謝や感動は色あせることはないと思います。 ・・・と同時に、蛍が光るのや、カブトムシが交尾をする(笑)感動も色あせないと思います^^

09-06-22 (月) 23:04

管理人さま、こんばんは。

また善い本をありがとうございます。

何故だか お坊さんの法話は眠たくなってしまう ばちあたり花ですが(お坊さんごめんなさい)、この本は 凄く読みたくなってます。
夫婦の本や 残九郎さんの 子ども向けの本にもひかれます。

太陽 09-06-23 (火) 1:32

こんばんは。

なんだかとっても善い本に会えそうですね~
管理人さんに感謝です(笑)
『我欲を捨てさってこそ、本当の人間の姿が蘇る』

これなんとなくですが分かる気がします。

自分の体は自分のものだって普段は当たり前に思っていて余り大切に取扱いをしませんよね。しかし一旦重い病気など掛かってしまい自分の生死さえ自由とならなくなくなった時など(神に体を委ねるしかない状態)「生かされている」を実感すると思うんです。
生きたいと望む欲も死にたくないと望む欲も究極状態の中では「選ぶ」と言う我欲が通用しないみたいな…

神様に生かされているのであれば寿命を生き切るしかありませんし、生かされないのであれば、言葉は悪いのですが善い意味で肉体としてのこの世でのお役目が終わりとなりまして「必要」で無くなった時なのかな…と。(コメントでは語り尽せないですよね(汗)

でも究極状態から生還されたり「生かされている」を実感されている方はきっとこの我欲がとても無駄なことだと知るのではないでしょうか…
私は昔、神社の神主様から御神鏡の【かがみ】とは間の【が】我を無くすことで【かみ】となります。そこに映るものが「かみ」なのですよ。と伺いまして日本人の知恵の深さと申しましょうか、神道の奥深さを感じました。

管理人 09-06-23 (火) 15:58

残九郎さん
おっ!これは貴重な情報を・・・・・・
さっそく手が空いたら問い合わせしてみますね~ありがとうございますっ!

むらぽんさん
なるほど・・・・そういう事だったんですか~
本当に勉強になる本のお薦め、ありがとうございました!
これ読んでると今の自分のブログが情けなくなる(苦笑)

花さん
お坊さんもですね~年季が入って本当にいい話ならうれしいんですが
無駄に長いと最初に言ってた事を忘れてしまったり(爆)
・・・・親父の説教と同じですよね、まったく。

太陽さん
この本、絶対お薦めですよ!!!!!
いろんな方面から、すぐに明日の生活から使える力が丁寧に
書かれています。あ~次の本が楽しみ~!!

みーにゃん 09-06-25 (木) 20:11

こんばんは。初めまして。関西へは縁があってよく行く福岡県民です。春日大社は交通アクセスも良いし心地よく、たびたびお参りに行ってます。
葉室元宮司さんの本は愛読してます。数年前に下関にある大歳神社の若神職さんから勧められて以来。
奈良では、たびたび葉室元宮司さんの講演会が催され(@春日大社)私も是非一度日程合わせて聞きに行きたいなぁとは思ってました・・・が、つい先日、新聞の死亡欄に小さく載っていて・・・ショックでした・・・ちなみにご葬儀は近親者だけでされたそうです。
葉室宮司さんご在職中(いつ退職されたか存じませんが)春日大社の本殿の、お守りなどを授与している場所に、葉室宮司さんの著書の特設コーナーがありましたが、今年4月訪れた時には無くなってました。これも残念です・・・。ア○ゾンさんや楽○ブックスさんなどに頼るしかないのかなぁ・・・。

管理人 09-06-28 (日) 14:38

みーにゃんさん
本当に一度はお会いしたかったです・・・・・・・・・・・
かけがえのない方をこの国は失ってしまいましたね・・・・・・
でも、その心を誰か一人でも受け継げば、心は永久に生き続けます。

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