「憑神」妻夫木聡さんははまり役だと思う・・・

時は幕末、処は江戸。貧乏御家人の別所彦四郎は、文武に秀でながら出世の道をしくじり、夜鳴き蕎麦一杯の小遣いもままならない。ある夜、酔いにまかせて小さな祠に神頼みをしてみると、霊験あらたかにも神様があらわれた。だが、この神様は、神は神でも、なんと貧乏神だった!とことん運に見放されながらも懸命に生きる男の姿は、抱腹絶倒にして、やがては感涙必至。傑作時代長篇。

どうしてもこの手のタイトルの本は手にとってしまう（苦笑）

現代だと三流ホラーになってしまう題材も、これが時代が遡れば当時の生活感やら風景と合わせて情緒あふれるストーリーに。そして、作者は浅田次郎さん。もうこれは深く考えずサラサラと読める本ですね。

くくっ、、、と独りで笑いながらいつしかラストへ。そして最後は「またかよ・・・・」と思いながらも、底からジワリと湧きあがってくる温かい想いと、ギリギリまで我慢してもちょちょ切れる涙・・・・・・も～いつもこの手を使ってくる浅田次郎さんのやり方に、「おっ、来た来た。今回は電車の中だし・・・・・・」 と最初は抵抗してみるんですが（笑）これも無駄な抵抗だと知ります。この方の本はシリアスな感動モノも良いんですが、ちょっと笑いがあって、ちょっとホンワカがあって、油断した時のラストが一番怖いんですよね～下手に人のいる所では読めません。

ちなみに自分はDVDも借りてみましたが、

うん、これもやっぱり面白い！！妻夫木聡さんもすっごいピッタリのはまり役で三人目の神様の子役の子もかわいかった～・・・・・・ただ、、、、、映画に関しては欲をいえば、赤井英和さんはないだろ・・・・・・もうちょっと演技上手い人、居ただろっ？（赤井さんファンの人、すみません～）とそれだけが悔やまれてなりません・・・・・・・。

まぁ話を戻して。

三柱の人間には嫌われる神様方が登場いたしますが、それぞれに心があって面白いなぁ～と。そして、神様の心の前にそれぞれのお役目があって、その葛藤にジワリと来たり、役目の為に心を殺せるからやっぱり神様なんだなぁ～と・・・・・・・どうでも良い所で感動しちゃいました。でも、この「心と役目の葛藤」はこの作品の隠し味。しっかり楽しんで下さい。

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